山形に来て1年の頃。
まだ土地柄や人柄が掴めていないのと、方言が難しく聞き取れないのとで、いつの間にか山形の町の人から遠ざかっていた。
勝手に私はよそ者と思っていた。
そんな時、町内会長さんが声をかけてくれた。
今まで、アパートは町内会から外されることが多かったが、この町はアパートも一員として考えてくれている。
それなので、毎月、町内会長さんが一軒一軒回ってきてくれるのだ。
その時にお話をしてくれたのだ。
顔をシワっとさせた、見るからに優しそうなおじいちゃんだ。
そして親切に、育てていると言う野菜まで持ってきてくださった。
とても嬉しい心遣いだった。
開けると、見たことのない野菜が入っていた。
「平莢いんげん」と言うそうだ。
調理法も教えてくださった。
なんと優しいのだ。
お返しに、うちの実家のおばあちゃんが作ってくれた地元の名物を持って行ったりして物々交換をするうちに、その優しい人柄に心和み、少しずつ会話が増えるようになった。
そのうちに、町内で開催される運動会に誘っていただき、旦那さんと二人で参加することにした。
私たちが県外から来たと知り、皆さん親切に話しかけてくださった。
私も段々と山形の方言が聞き取れるようになってきた。
妊婦のときは、スーパーでカゴを持ってくれたり、大きなお腹を見て「何か月?」と話しかけてくれたり、子供を連れているとよく話しかけてくれたり抱っこしてくれたりする。
いつかは、私がスーパーでベビーカーを置いて買い物に夢中になっていると、見ず知らずのその場にいた人たちが代わる代わる子供をあやしてくれていた。
それには本当に驚き、とても有難く嬉しかった。
みんなとても優しい人たちばかりなのだ。
自分が心を閉ざしていただけで、山形の人はみんな優しく親切な人たちばかりだった。
勝手によそ者と思って山形の人に距離を置いていただけで、周りから見たら同じ人間なんだ。
そんな勘違いをしていた自分が恥ずかしくなった。
そんな人たちに触れ、心優しく人情があり、山形は本当に住みやすくていいところだと思った。